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KEIO GIRLS VOLLEBALL CLUB DIARY 2013/6/3

さよならだけが

投稿日時:2013/06/03(月) 11:18

皆様、暑くなってまいりましたが如何お過ごしでしょうか。文学部三年の鹿島です。
今日は何について書こうかと迷っておりましたが、春が終わったということで、春という季節の総括をさせていただきます。


私は高校二年のときから座右の銘を持っています。漢詩「勧酒」という五言絶句の名訳です。


勧君金屈巵
満酌不須辞
花發多風雨
人生足別離

この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ


人生に決別は付き物であって、だからさよならを悲しく思ってはならない。別離はすぐそこに迫っているけれど、今、君と向かい合い酒を酌み交わすこの瞬間は確かに存在しているのだから、さあ楽しく過ごそうではないか。
井伏鱒二の名訳を、私はこのように解釈しております。
高校二年の三月に、現代文の先生が教えてくださいました。この先生は、自分がもった生徒には最後の授業で必ず、この話をされるそうです。先生は、
「今のこの瞬間は大切だ。でも、過去に固執することには意味がない。現在だけなんだ。」
といったことを話されていたように思います。確かに私もそう思います。決別すべきもの、二度と出会うことのないであろうもの、そうしたもののために現在をおろそかにしてはならないと思うのです。さよならからしか、新しい何かは生まれ得ないと思います。そういうわけで、春、特に三月になると必ず、この決別の句を思い出します。散る桜を見ると、その一年間の別離を思い出します。そうして新しい季節へ向かっていくのです。
刹那主義的として批判される方もいらっしゃるかと思いますが、わたしはやはり過去に固執せず、未来に怯えず、現在を精一杯生きるやり方は好きです。たった今、自分が大切に思うものを必死に頑張りとおせば、未来は自ずと付随してくると考えています。
わたしにとって、春という季節は、さよならの季節であり、そうした決別にさえ決別する季節であり、また、自分が果たして何をすべきなのか、再考する季節であります。

そんな季節を乗り越えて、今、夏に向かおうとしていますね。夏は、前を向いてわき目もふらず進んでゆく季節だと思っております。
そんな前進の夏に向けて、より一層頑張っていきたいと思っています。

長くて抽象的な話になってしまいましたが、これで今回の内容を終わらせていただきたいと思います。

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